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食肉のおいしさは制御できる!
「食肉のおいしさの発現-熟成と飼料で制御できるか?-」と題した講演が、日本獣医生命科学大学西村教授によってよこなわれた。(飼料畜産セミナー2010)
西村教授は講演の中で、食肉のおいしさを感じる要因に、
1.味=うま味、こく、まろやか。
2.香り=肉の香り、種特異的な香り。
3.食感=軟らかさ、ジューシー。
これらがあること。そして食肉のおいしさの発現は、
1.熟成による肉質の改善
2.飼料による豚肉の品質改善
3.飼料による鶏肉の品質改善
の視点から、熟成や飼料で制御できるか、を語った。
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その中から、飼料による豚肉の品質改善についてはより突っ込んだ結果が示され、LWD, LWB, LXYの三元交雑種供試豚を用い、兵庫県のエコフィード循環事業協同組合で肥育後期に給与した結果を発表した。
エコフィード脂肪酸組成は一般の配合飼料に比べ高く、特にオレイン酸が高く、リノール酸が低いこと。豚肉の一般組成については、脂肪含量が高くなると、タンパク質含量が低下すること。その中で、高脂肪含量飼料でも体重の差異は認められなかったこと。
などを例をあげて説明した。
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西村教授は高脂肪含量飼料で肥育した豚肉の食味性について、におい、味、テクスチャー、総合評価において、識別、嗜好性評価を行い、その結果、脂肪含量の高い飼料を給与した豚肉が、対照区に比べ、有意に軟かかったこと。またうま味も強いと評価され、総合的に好ましい結果であったと結論付けた。