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環太平洋連携協定(TPP)と日本の国益との関係

 第一回食と農林漁業の再生実現会議(議長=管直人内閣総理大臣)が11月30日、持続可能な農林漁業を目指した基本方針の策定をゴールとし、開催されました。

ここでは、環太平洋連携協定(TPP)の情報収集と国内環境整備を進め、TPPが推進された場合の影響や日本の国益などについてさまざまな検証が行われた。

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牛肉に関しての考え方は、TPPによって、

1.牛肉の全体価格は下がる。
2.5,4等級の和牛は競合しないが、それでも価格は1000円近く下落する。
3.3等級以下(国産牛肉の75%:乳用種のほぼ全量と肉牛の約半分)は輸入品と置き換わる。
4.現行制度下の牛肉関税700億円を喪失する

以上により、国内総生産量の約75%が輸入牛肉と入れ替わり、残りの約25%についても価格の下落が予想され、それに喪失する関税を加えると合計で4500億円の減少となる。

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豚肉に関しては、

1.残るのは銘柄豚のみ
2.生産減少率は70%
3.減少額は4600億円

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鶏肉に関しては、

1.生産減少率20%
2.減少額1900億円

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農畜産物合計では4兆1千億円規模で、カロリーベースの自給率は、当面の国策としての目標の50%から大きく後退し、平成21年度の40%から→14%まで下落するという事態が想定された。

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現実的にも農業就労人口は350万人ともいわれ、関連産業を合わせたGDP(国民総生産額)の減少額が約8兆4400億円という試算も出ています。

TPPだけでなくWTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)など全面的な開放経済の流れの中、自給率14%になってしまうという農水省試算に結び付くのが本当であるならば、今後国民の命を守る戦略物質(食料)に対する基本的な考え方について、国民一人一人が改めて議論する必要があるだろう、という形でまとめられました。