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大震災の影響
東日本大震災は二つの側面で動物油脂の供給に影響を与えている。
一つには原料の発生面だ。東北の主力3レンダラーの被害は大きくなく操業再開にむけ動いている。原料についても、死亡獣の処理や早期出荷によって短期的には逆に増えていると伝えられた。しかし現状は処理施設の被害、操業停止の影響によって現地での原料発生が極端に減ってきたようだ。例えば仙台市の中央卸売市場のと畜場が全壊、畜産農家は出荷先を関東などにシフトせざる負えなくなっている。
第二に需要先の被害による生産シフトだ。大手需要家であるアデカ鹿島工場は大きな被害を受け3月末時点で操業を停止している。バースなどの被害が深刻なようだ。関係筋によれば5月のゴールデンウィークまで原料納入はストップしそうだという。その後も計画停電によってフル操業に持ち込むのは大幅にずれ込むことになるだろう。
アデカは関西の植田製油に生産委託したと言われるが、関東の加工油脂メーカーでもいくらかは同社生産分のカバーがなされるだろう。それdも大きくは関西での需要が増加し、関東で大幅に減るという偏在した消費バランスになり、牛豚脂の消費構造に少なからぬ影響を与えるだろう。
(R&B 2011・3月号より抜粋)