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TPP関連法成立で酪農は300億円以上損失も
6月29日に米国を除く11か国が署名した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の関連法が、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。協定は早ければ年明けにも発効する。TPP発効で貿易や投資促進が期待される一方、農業関係者は安い農畜産物が海外から流入することになお懸念を募らせている。TPP関連法には畜産農家への補助拡充を盛り込み、打撃を最小限に抑える考えだ。TPPが発効すれば、関税が下がって価格競争力の高い海外の輸入農畜産物の影響で、競合する国産品の価格にも下落圧力がかかることになる。農林水産省の試算では、生産額は約900億~1500億円減と見込んでおり、特に影響の大きいのが、▽牛肉(約200億~399億円)▽豚肉(約124億円~248億円)▽牛乳・乳製品(199億~314億円)になるとみられている。この為、TPP関連法案には期待されるが、国内畜産の中で、最も厳しい状況となっている酪農では、経営基盤が脆弱化しており、海外製品に太刀打ちできるだけの競争力維持には、更に政治的なテコ入れが必要だとみられる。