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世界的な鳥インフル流行でブロイラー原種鶏輸入危機
アメリカのブロイラー産業は危機的な状況に見舞われている。鳥インフルエンザが、昨年12月にアイダホ州で発生し、この半年間で、21州223カ所の農場に拡大し、4,800万羽の鳥が殺処分された。日本での鳥インフルエンザは、防疫体制が整備されているので拡大することは無いが、アメリカでは不備も多く感染が急激に拡大してしまった。日本の農水省は、アメリカの鳥インフルエンザ発生州からの輸入を停止している。日本が国内に輸入している鶏肉は、需要量全体の25%となっているが、その8割がブラジル産、残り1割がタイ産、アメリカ産は5%と数量的には少なくて、国内の鶏肉需給には大きな影響はないが、もう一つ別の深刻な問題が起きている。アメリカから輸入されるブロイラー種鶏が今後、途絶する懸念が出てきているからだ。原種鶏の輸入元はイギリスが87%、アメリカが12%、フランスが1%となっており、きわめて海外依存度が高い。現在、アメリカからの原種鶏の輸入は禁止となっており、イギリス産を増加させる動きとなっている。昨年11月にはイギリスでも鳥インフルエンザが発生し、今年2月に解除されているが、再びイギリスでも感染が発生すると、原種鶏自体の輸入が非常に困難となり、日本のブロイラー産業も非常に厳しい状況に追い込まれる可能性もあるという。
(日刊毎日経済通信 平成27年7月21日号より抜粋)