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農水省セシウム失策で過剰規制の懸念
農水省セシウム失策で過剰規制の懸念再び出るか?
セシウムによる肉牛汚染が拡大した。稲わら給与を見逃した農林当局は相次いで国産飼料原料の使用自粛などを打ち出している。
特に、23年度産の国産小麦、大麦から発生するふすま、麦ぬかの使用自粛を求め、すでに規制している稲わら、むぎわら、自給牧草等にも使用を規制打ち出している。
もちろん、安全な畜産物を生産するためには汚染飼料の規制は当然ではある。しかし、稲わらの汚染を見逃したことにより規制の範囲を一段と拡大する動きが強い。過去、BSEが国内に流入した時の原因究明が出来ないままに多くに規制を設けて、現在でも意味のないとみられる規制も多く残され、国内畜産の競争力を削ぐ結果となっている。
また、国内飼料を規制するのは良いが、使えなくなった原料の代替品をどう確保するのかの道をつける必要も忘れてはいけない。生きている家畜を扱っているだけに飼料の絶対量は必要である。
国内畜産は、安全な畜産物を売りにして少し高くても消費者に受け入れられていた。しかし、今回は最大の売りである安全性が傷ついてしまった。放射能が原因であることはわかっているため、汚染飼料をどう排除するかは大きな命題ではあるが、海外畜産物が安全と言われる前に安全な飼料確保のための合理的な規制緩和も並行して考えている必要がある。
(飼料通信 2011年8月1日 第3599号より抜粋)