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東北4県の家畜頭数が減少
豚・牛・ブロイラーで顕著
青森、岩手、宮城、それに福島の東北太平洋沿岸4県の豚と牛の飼養頭数が大幅に減少している。3月11日の「東日本大震災」の直接的な被害や東京電力福島第一原発のトラブルによる一時的な家畜の移動禁止が影響しているためで、同地域で飼育が活発なブロイラーを含め飼養頭(羽)数の減少はすべての畜種に及ぶ。
農水省がまとめた4月の都道府県別家畜飼養頭数によると、豚は青森8万7029頭、岩手2万6281頭、宮城2万4099頭、福島1万6472頭。また、牛は和牛、乳牛含めて青森2700頭、岩手1018頭、宮城562頭、福島247頭。
これを前年同月を比較すると豚は青森8万3610頭、岩手2万7363頭、宮城3万6450頭、福島2万1945頭とそれぞれ減少。一方、牛も同前年実績で青森2512頭、岩手1109頭、宮城2896頭、福島388頭と大幅に減少している。
もっとも、3月から4月と続く農水省の統計自体が混乱しており、一部の県では調査が不可能なため飼養頭数そうのものが未統計に。福島県災害対策本部は5月上旬に原発事故で設定された計画的避難区域の家畜に対し、放射能検査で基準値を下回れば繁殖牛などは県内施設や公共施設に移動させ、子牛や飼育牛は家畜市場への出荷を促すとの方針を決定したが、実際の移動は大幅に遅れている。
飼養頭数の減少は動物性飼料用油脂も含めて配合飼料の需給にも大きな影響を与えそうだ。特に飼養が全国的に見ても多いブロイラー向けはその度合い強い。
(油業報知新聞油脂版より抜粋 平成23年6月27日号)